ある夏、我々はTOYOTAのハイエースをレンタルしてキャンプに出かけました。
 三重県には「宮川」というきれいな川があり、その周辺にはキャンプ場がたくさんあるので、「宮川へ
行こう!たまにはこういうのもええやろ!?」ということになったのです。

 この時もいつもどおり下調べはなーんにもしていきませんでしたので、キャンプ場に着いたら、

「今日はいっぱいでもう空きはありません」

 と、ゲートキーパーに断られてしまいました。しかし我々はそんなの慣れたモンですので、「あ、そう」と、
次のキャンプ場へ向かいました。キャンプ場はまだまだたくさんあるのです!
 そして次のキャンプ場に着き、意気揚々と受け付けに行くと、あっさり満員で断られました。しかし我々は、

「でーじょーぶでーじょーぶ!(大丈夫)どっかは空いとる!」

 と、次のキャンプ場へ向かいました。そして断られては「でーじょーぶ!」を繰り返しながら宮川沿いの国道 42号を走っていくうちに、海に出てしまいました。
 しかし我々は、「ま、こんなこともあるやろ。別にキャンプじゃなくてもええし」という話になり、さらに
「こうなったら行けるとこまで行こうぜ!」ということになり、そのまま海沿いに国道を南下していきました。

 そして海沿いに1時間ほど走ると、熊野市の七里御浜海岸まで来ました。

「おう!ここ熊野のビーハナ(花火)するとこっちゃうんかい!?」

 そうです。三重県やその周辺地域では有名な「熊野大花火」の会場の海岸です。
 もちろん昼間ですから花火はやっていませんでしたが、我々は車を停め、海岸に走り出しました。
 浜辺に来た我々は、とてもきれいな海岸で海水浴にはもってこい!と感じたのですが、なぜか浜辺には 人っ子ひとりいませんでした。
 しかし我々はそんなことを気にすることはなく、とりあえず膝まで水につかりました。
 すると普通の海よりは流れが速く、足元も砂ではなく小石で、立っているだけでもちょっとフラついてしまう ような海でした。

 おもしろい!そう感じた我々は、波が引いた時に波打ち際まで近づいて行き、波が満ちて来たら波から 逃げる、誰が一番遠くまで海に入って行けるか、というありがちなゲームを誰からともなくやり始めました。
 そして一際大きく波が引いた時、我々はダーッと結構遠くまで走り込みました。MaternityとAllwayが同じ
くらい遠くまで行き、NuZはわずかに少しだけ後ろにいました。
 Allwayが振り向いてNuZに「もっと遠くまで行こうぜ!」みたいなことを言うと、さっきまで腕組みをして余裕 の表情だったNuZが、「あれ?」という表情を浮かべたかと思うと、急に血相を変えて浜へ走り出しました! 高さ1mくらいの波が押し寄せて来たのです!

「うわーっ!」

 3人とも必死で浜に向かって走りましたが、3人とも波に呑まれ、10mくらい沖へ引きずり込まれ
ました!


 その後何度か波と戯れた我々は車に戻り、再度国道を南下しました。
 結局この日は和歌山県新宮市内のビジネスホテルに泊まりました。半分民宿みたいなホテルで、従業員 が布団を敷きに来たりしてくれるところだったのですが、その従業員におばちゃんだけどきれいな、外人か ハーフくらいの女性がいて、海のことを話したら、

「七里浜はナメとったらヤられるで!?」

 と、関西弁で言われたのが印象に残っています。
 海岸に人がいないのは、危ないから遊泳禁止になっている為とのことでした。

 さて、宿はそんな感じだったので我々は外で食事をとりました。
 食事を終えて町をふらついていると、浴衣を着た人やその他大勢の人が、皆同じ方向に歩いていました。
 その姿はもう、祭りまる出しでした。一応通行人に聞きましたがやはり祭りでした。

 迷わず我々もそっちに行きました。すると、河川敷に屋台が出ていました。そして「祭りはいいね〜」と、
うろちょろしていたら、「お待ちかねの花火だよー」みたいなアナウンスが流れました。そしてさらに
アナウンスは続きました。

「来賓の方は本部テントまで来てねー」

 そんなフリをもらって、我々が本部テントに行かないはずがありません。
 我々は鋭い嗅覚で本部テントの来賓席を嗅ぎつけ、空席が残り10席もない来賓席にどかっと座りました。
 そしたら、我々も予想できなかったのですが、モノホンの来賓と間違えたのか、ビールが出てき
ました。
「ビールでよろしかったですか?」「ええ。成人してますから」ってなもんです。

 そうこうしているうちに花火が始まりました。来賓席は言うまでもなく特等席です。
 頭の真上にあがる打ち上げ花火は格別にきれいでした。我々は終始来賓席でビールを飲みながら花火 を堪能しました。

 流れ流れて新宮市まで来て、とてもよい体験ができました。 


   

画像:公式ホームページよりチャーター