五家荘は「ごかのしょう」と読みます。
我々は現地に行くまでは「ごけそう」と読んでいて、 現地に着いても「ごかんじょ」と発音していましたので、 読めなかった方がいたとしても普通です。

 若い頃我々はここへ行きました。九州ツーリングのルートの中に五家荘が入っていたのです。
到着してびっくりしたのですが、そこは 本当にナンっにもない、ただの山でした。
なぜなら、キャンプ場や魚をつかみ取りして遊ぶ施設などがありましたが、 時期は3月だったので、全て閉まっていたからです。
 しかも我々は若く無知なうえ、事前のリサーチなんてものは無粋なことと信じていましたので、 我々のルーティングでは、この地は観光して通過するポイントではなく、 宿泊地として設定されていたのです!

 いつもどおり、スケジュールはオシにオシまくっての現場入りでしたので、
進むにも戻るにも何十kmも走らなくてはなく、我々はゴーストタウンを 探検するノリで宿を探しました。
すると案外簡単に宿は見つかりました。しかし我々はゴーストタウンを探検する ノリが抜けずに、
「この宿は罠なのでは!?」と思ってしまいました。

 食堂に案内され、馬刺しだか鹿刺しだかを頂いたのですが、警戒していたので 味は覚えていません。
「実は人肉なんじゃねーの!?」とか言っていました。

 部屋に入りトイレに行こうとしたら、トイレは屋外にありました。 辺りはただの山ですので、まっ暗でした。

 我々は探検隊モードで、「足元に気を付けろよ?」とか声をかけ合いながら、 恐る恐るトイレに
行きました。すると・・!

「キャ〜〜!ヒャ〜〜!」


 と女性の悲鳴のようなものが聞こえました!
 これには我々もビビって部屋へ逃げ帰りました。

 「何やあれ!」と、我々は騒いでいましたが、でもちょっとして、
 「まあ、めったなことはないやろ」と、探検隊ごっこも疲れたので、 普通に風呂に入ることにしました。

 この時の風呂がとても素敵で、 大木をくり抜いた五右衛門風呂でした。

 結果的に、最初はとんでもない所へ迷い込んだと思っていましたが、 とてもファンタスティックでよい所でした。
 ちなみに悲鳴の正体は鹿の鳴き声でした。