ツーリング出発前夜、我々は津市内でミーティングを兼ねて食事をしていました。
翌日からのツーリングの行き先を決め、過去のツーリングの話などをしながらとても楽しく酒を飲み 松阪牛を食べました。
 そして楽しいついでにナオンを呼ぶことにしました。Mogishi が知り合いのナオンに電話し、3名のナオンが集まり、皆でカラオケに行きました。

 Allway はカラオケは30分もしないうちに帰りましたが、それ以外のメンバーはその後も楽しく宴を 続けました。・・・そう。明け方まで。
  NutZ に至ってはカラオケだけでは飽き足らず、ナオンとレスリングをしていました。 グレコローマンスタイルだそうです。

 そんな事をしていたので、翌日のツーリングは11:30集合となりました。
ひどく打ちひしがれた表情の NutZ を先頭に我々は伊勢湾岸道路に乗り、東へ向かいました。目指すは 房総半島!

 しばらく走ると我々は離ればなれになりました。
 NutZ がブッ飛ばして Allway を引き離し、Allway は NutZ よりも随分と後方を走ることになったのです。

 Allway は長年の勘で NutZ は刈谷サービスエリアで休憩しているだろうと思い、刈谷SAに入りましたが 勘は外れ、ケツに乗せていた Mogishi と2人で休憩し、NutZ に新東名の浜松SAでランデヴーするように メールをしました。

 湾岸道路の名古屋港にかかる橋や、できたばかりの新東名を走るのはとても爽快でした。

 そして浜松SAに到着した Allway班ですが、辺りを見回しても NutZ はいません。
 Allway班はここで下手に動かずに、NutZ が現れるか連絡が来るのを待ちました。

 ・・待つこと15分、NutZ から通信が入りました。なんと!単車が故障したらしいのです。
 故障と言っても全く動かない訳ではなく、10kmほど走ると止まってしまうのですが、ガソリンタンクのふたを 開けてタンク内の気圧を下げ、3分くらい放置すれば回復し、また走れるようになる、といった症状でした。
 つまり、走ってはタンクのふたを開け、また走ってはタンクのふたを開ける、という犬のマーキングのような 作業を繰り返せば走行は可能とのことでした。

 通信が入ってから20分ほどして、NutZ が浜松SAに到着しました。時刻は16:00でした。
 我々は話し合い、房総半島はあきらめ、浜松SA近辺でビバークすることにしました。
 目的地を川根温泉と定め、Allway が手際よく宿を確保し、我々は出発しました。

 1時間もしないうちに川根温泉に着きましたが、Allway が確保した宿はそこにはなく、さらに30kmほど 上流の寸又峡まで行かなければならないことが判明しました。
 通常なら30kmなど何でもない距離なのですが、ここで大粒の雨が降って来ました!
 あっと言う間に水深15cmほどの水たまりが至るところにできました。さらに日も落ち辺りは闇となり、 さらにさらに霧まで出て来ました!

 結構な惡状況でしたが、NutZ と Allway は気合でこの峠道を走りきりました。
 Mogishi はケツに乗っているだけなのに、何度も弱音を吐いていました

 到着した民宿「求夢荘」はとても親切な宿でした。
 我々は温泉につかり、おいしい食事と酒を頂き、それはもう、極楽気分でした。

 そして就寝前、NutZ が「故障をして迷惑をかけた」と謝り、浮かない顔をしていました。
 Mogishi は優しい言葉をかけていましたが、Allway の目はごまかせません。
 浮かない顔の NutZ が、目の奥では昨夜のレスリングを思い出していることは明白に分かりました。
 そんな我々は、この日は天然記念物のカエルの鳴き声を聞きながらぐっすりと眠りました。

 翌日、まだ雨は降っていました。しかもテレビのニュースでは日本の各地で大雨の被害が出ている!
と報道されていました。それを見て我々は電車で帰ろうとしましたが思いとどまり、ちゃんと単車で帰る ことにしました。

 帰りも浜松SAに寄りました。NutZ は単車の故障が気になり、また傷心の表情を浮かべていました。
 するとどうでしょう!そんな NutZ を元気づけるかのように、野生のスズメがパタパタパタ・・と飛んで来て NutZ の膝の上にとまりました(*^▽^*)こんなことってあるんですね。

 スズメに元気づけられた NutZ は調子に乗って、ガソリンタンクのふたの開け閉めが面倒くさいので、
タンクのふたを半開きにして走る、と言い出しました。
 Allway が何度も「やめとけ」って言っているのにも関わらずふたを半開き状態で走行し、司令部に着く 直前でふたがどっかに飛んで行って失くしていました

 てな感じで、今回は2泊3日の房総半島ツーリングを断念し、1泊だけしてどこにも寄らず、寸又峡の 吊り橋すら寄らずに夏の陣は終了しました。


   

画像クリックで拡大


画像クリックで拡大


画像クリックで拡大