NuZとMaternityは同じ小学校出身です。
 そして2人の小学校時代の思い出話でよく出てくるのが、「キズロキャンプ」の話題です。

 小学校の行事で、キズロという遠〜い所まで行って、過酷なキャンプ生活をさせられた、という内容の話題 なのですが、いつも話の最後は「でもキズロってどこやったんやろ?」で終わります。
 つまり、2人ともキズロキャンプの思い出は鮮明でも、キズロの場所が思い出せず、現在になって調べ ても分からないというのです。

 そんな2人を不便に思ったAllwayは、「Maternityはともかく、NuZが調べても分からなかったことを、 実際キャンプに参加していない俺が調べても無理かな・・」と思いながらも、その幻のキズロについて調べました。

 結果、卵かけご飯を作るよりも簡単に分かったのでAllwayはメンバーに報告し、ゲストにMogishiを迎えて、 4人で三重県熊野市紀和町木津呂へ行くことになりました!

 9時集合だったのですが、Allwayは30分ほど遅刻しました。
 NuZは定刻どおりに集合しましたが、無線機の本体だけ持って来て、ヘッドフォンを忘れて来ました。
 つまり今回も、いつものパターンでツーリングが始まりました。

 通常だったら4時間もあれば行ける道のりを、我々は何事も楽しむ精神をむきだしにして7時間半
かけて木津呂に到着しました。

「ここやここや!木津呂や!」

 NuZは喜んでいました。「やっと来れた!」とか「帰って来たぞ!」と子供のようにはしゃぐNuZを見て、 Allwayは「来てよかった」と思いました。
 そして、同じようにMaternityも喜んでいるのかな、と思ってMaternityに目をやると、Mogishiに風俗情報を調べさせていました。

 同じキャンプを経験しているはずなのに、NuZとMaternityでは結構な温度差がありました。
 しかし、「ここに集合してラジオ体操したよな!」とか「このお寺に泊まったよな!」などのNuZとの会話の 中で、ようやくMaternityにも懐かしさが湧いて来たのか、徐々にテンションが上がって来て、ついにある場所に強い反応を示しました。

「あー!ここやー!ここが炭窯やー!」

 木津呂キャンプの中で一番の思い出が「炭作り」で、その炭を作った窯を発見したのです。
「夜通し火の管理をして、大変な思いをして炭を作ったんや・・」そう言うMaternityの目には、キラキラと当時の炭の火が写っているようでした。
  ・・しかしNuZが一言、

「え?ここやったっけ?」

 と水を差しました。そしてNuZとMaternityの間で、「ここや」「ここじゃない」のラリーがしばらく続き、我々は その決着を見ないまま、さらに奥地へ進みました。
 するとあっさり、奥地の草むらから、今は使用されていない崩れかけた炭窯が出てきました。
 別に他のメンバーはMaternityを責めませんでしたが、Maternityは、

「俺炭作り班とちゃーったもん!(違ったもん)」

 と言っていました。

 そんな感じで我々は、幻の土地だった木津呂を制し、司令部に戻ったのは22時でした。
 いや、Maternityだけ大人の事情でもうちょっと遅かったかな。


   

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