九州へツーリングに行った時のお話。
 佐賀県から南下中に、熊本県をぬけて宮崎県に行きました。小春日和でとても気持ちよかった
のですが、たまたま通りかかった場所に、「だるまの里」と称する、見るからに怪しい公園の
ような施設
を発見しました。
 一応遊具がたくさんある有料公園のようなのですが、手入れされている様子はミジンもなく、
荒れ放題なのです。

 我々は好奇心に従い、この里へ入りました。まず入口にゲートキーパーはおらず、
料金は払いませんでした。
 そして里の中へ進んで行くと、数十体の様々な「だるま」のオブジェがあったのですが、
全て色あせていてボロボロでした。また、全てのオブジェに詩のような呪文のような、
気持ち悪〜い文句が書いてありました。
 「何やここ!?イカツいな〜」などと言いながらさらに先へ進んで行くと、動物がいそうな
小屋と柵があり、「動物とふれあえますよ♪」という趣旨の看板がありました。

 「だるま以外のモンもあるやん!」てなもんで、我々は不覚にもちょっと心を踊らせて
しまいました。
 しかし!柵に近づくと我々はすんごい光景にびっくりしました。そこにはハムスターをデカく
したような、見たこともない、おせじでもかわいいとは言えない生き物が10匹ほど飼われて
いて、柵内には地面が見えないほどに落ち葉がたまっていて、その生き物が動くとカサカサッと
音がしました。
 我々は数秒間固まって動けませんでした。しかし次の瞬間、NutZが声をあげました。

「おい!1匹死んどるやん!」

 文字通り1匹死んでいました。その死んでいる子には悪いのですが、我々は「そんなアホ
な〜!」「なんちゅうとこやねん!」と爆笑しました。さらにNutZが、
「(笑いを取るために)体張りすぎやろ!」と、鋭いツッコミを入れ、ひと通り笑った後に、
我々は非常食として持っていたカロリーメイトをその生き物達にあげることにしました。
 カロリーメイトを柵内へ投げ入れると、生き物達は天地をひっくり返す勢いでガッツいて
いました。

 そして動物エリアに来た時から気づいていたのですが、犬が1匹いました。
 我々は犬に対する礼儀として、まず首につながれている鎖を外してやりました。鎖を外して
自由に動けるようにしてから、いろいろ遊ぼうと考えていたのですが、鎖を外した瞬間、
犬は猛ダッシュで山に走って行ってしまいました。

 この日はプチ虐待を受けていた動物達を解放した、よき日になりました。
 ちなみに、後日このだるまの里が探偵ナイトスクープに出ていました。